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フィリピン商標法についての解説

フィリピン

1. 適用法令

知的財産法(2008年法律第9502号により改正された法律第8293
号) 2008年7月4日施行
商標、サ-ビスマ-ク、商号及びマ-キングされた容器に関する規則 2006年改正
所管官庁 商標局 Intellectual Property Office (IPO) 
“first to use” → first to registerに変更
存続期間: 20年→ 10年に短縮 

(1) 登録主義、先願主義
使用予定の出願も可能
(2) 商標
文字、図形、記号若しくはこれらと色彩との結合、立体的形状は、登録の対象。
色彩若しくは音、匂い等視覚的に認識できないもの及び動作は、登録の対象ではない。
団体商標の登録が可能
証明標章、防護商標、Series Marks(シリ-ズマ-クス)の登録はできない。
(3) 商品
国際分類に関するニ-ス協定に加盟(10版)。
特定の商品の小売と卸売業は、第35類の役務に含まれる(いわゆる小売役務商標)

 

2. 出願手続

(1) 必要書類

① 願書 出願人の氏名又は名称及び住所又は居所(タガログ語若しくは英語)、
商標見本
Drawing (図面)
商品(役務)区分及び商品・役務の表示
② Special Power of Attorney & Appointment of Resident Agent (Simply sign)。
(2) 必要情報
① 一出願多区分
③ 優先権主張
最初の出願の翌日から6ヶ月以内に主張が可能
優先権証明書 主務官庁が発行した原文及び英語訳、出願後3ヶ月以内に書類の追完可能
④ アルファベット文字以外の文字を含むときは、その音訳及び英訳が要求される。
⑤ color limitation(着色限定)

 

3. 審査

(1) 審査内容

① 方式審査 出願書類の完備、指定商品・役務の審査
② 実体審査 絶対的拒絶理由(識別力の有無)及び相対的拒絶理由(先行商標との類似性等の不登録事由の有無
③ 出願から登録までの所要期間: 6ヶ月から12ヶ月
④ 出願件数と登録件数のリスト(別表をご参照下さい)

(2) 拒絶理由通知

① 絶対的拒絶理由及び同一若しくは類似する先商標が存在するとき
Office Actionの通知日から2ヶ月以内
② コンセント制度採用(審査官の裁量)
③ ディスクレ-マ-制度採用
④ 出願公告及び登録異議申立
登録異議申立期間 30日間
利害関係人が登録異議申立書を提出

(2) A declaration of actual useの提出→不提出は、出願拒絶若しくは登録の取消し
出願日から3年以内
出願に係る指定商品/指定役務のうち少なくとも1品目についての通商上の使用証拠を合わせて提出する。

 

4. 登録と更新

(1) 登録異議申立が提起されない場合若しくは登録官の決定により登録異議申立が認められないと判断されたときには、登録証が発行される。
(2) 存続期間は、登録日から10年。10年毎に更新可能
(3) 登録日から5年から6年の間にan affidavit of use or reasons for non-use(使用宣誓書及び使用証拠若しくは不使用についての理由書)の提出 → 不提出は、登録の取消し 
(3) 更新手続きもan affidavit of use or reasons for non-use(使用宣誓書及び使用証拠若しくは不使用についての理由書)の提出
(4) 更新手続期間は、登録満了日の前6ヶ月。但し、存続期間満了後6月以内に存続期間の更新登録手続き可能。

 

5. 使用義務

商標登録後正当な理由なく3年間の継続的な不使用である場合、利害関係人(登録により損害を蒙るもの)のみが、不使用取消審判を請求することができる。

 

6. 取消審判

① いわゆる除斥期間なし。
② fraud(詐欺)により登録を取得した場合、登録商標が普通名称となった場合等

 

7. 使用許諾

商標権者が、ライセンシ-による商品若しくは役務の品質管理を行うためには使用権の設定登録を行う
品質管理の条項がない場合若しくは品質管理が行われていない場合には、使用許諾契約は無効となる。

 

以上

資料提供
SYCIP SALAZAR HERNANDEZ & GATMAITAN