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各国商標制度事情 2019年第2号【ミャンマー】

各国代理人から送付されましたサーキュラーから注目すべき事項を挙げてご説明します。

 

【ミャンマー】新商標法の概要

 

ミャンマーの新商標法につき、詳しい内容が続報として入って参りましたのでご報告します。

 

新法に基づく商標登録は、出願日から10年間有効で、10年ごとに更新可能です。商標登録は旧来の使用主義の登記方式に代わって先願主義の下で行われ、パリ条約加盟国で登録された商標は各国における最先の出願日から6ヶ月の優先期間の恩恵を受けます(ミャンマー自体はパリ条約にまだ署名をしていないので注意が必要です)。

 

同法は、商標権の侵害と偽造行為に対する刑事罰として、最大3年間の懲役及び500万MMK(約3,250米ドル)の罰金を導入し、司法組織に知的財産専門の裁判所を設立する権限を与えています。とはいえ、近い将来にこれらが実現する計画があるかどうかは今のところ不明です。

 

同法はまた、知的財産権中央委員会および知的財産権庁の設立を規定しており、これらはミャンマー全体にわたり商標登録制度を管轄します。

 

■新体制の構築

新法の下での商標登録出願は、まだ認められません。出願を受け付けるために必要な管理体制はまだ構築中です。本制度運用のため要求される施行規則および知的財産庁の設立スケジュールは定められておらず、2019年1月31日現在、新しい商標登録出願、既存の登録の更新、およびその他すべての商標に関する宣言は、まだ旧来のシステムで運用されています。

 

■商標所有者のための次のステップ

  • 新制度の具体的な手続き内容と制度を運用するための管理機関はまだ整っていませんが、新法は商標登録出願に必要な文書を規定しています。それは以前の草案の内容と実質的に変わっていません。したがって、商標所有者はそれらの文書を事前に作成し準備することができます。

 

  • 新たな出願に添付するべき書類には、証書登記事務所による既存の登記の証明が含まれます。新法制下の商標出願審査の過程でこれらにどの程度の重要性が与えられるかはまだ明らかになっていませんが、商標所有者は、この新しいシステムの下で最大限の利益を確保するために、引き続き旧制度下での権利を登記し、最新の内容に保ってください。

 

  • 新たな商標法は商標出願に使用の証拠を添付することにも言及しています。したがって、商標所有者は、引き続き現地新聞紙上への商標の概要を述べた警告通知(コーショナリーノーティス)、広告、事務上の書類、その他の明確な使用証拠を含む、既存の商標使用に関するすべての証拠の確認をしておく必要があります。また、ミャンマーでの既存の商標がライセンス契約の対象となっている場合は、商標の使用を証明する際にあいまいさが生じるのを避けるために、フランチャイジーとフランチャイザーの関係に関し、両者の最新の関係を反映した契約内容になっているかどうか、監査および確認する必要があります。

(資料提供: Tilleke & Gibbins