村橋商標特許事務所は、商標の調査、出願、侵害訴訟など、商標を専門に扱う事務所です。

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商標解説 | 

共同体商標法についての解説

共同体商標法

1. 適用法令

各種のCouncil Regulation

所管官庁 Office for the Harmonization in the Internal Market (OHIM)
http://www.oami.europa.eu
(1) 対象地域: オ-ストリア、ベネルックス(ベルギ-、オランダ、ルクセンブルグ)、ブルガリア、キプロス、チェコ、デンマ-ク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、イギリス、ギリシア、ハンガリ-、アイルランド、イタリア、クロアチア、ラトビア、リトアニア、マルタ、ポ-ランド、ポルトガル、ル-マニア、スロバキア、スロベニア、スペイン、スウェ-デン 
個別指定は不可。将来新しくEUに加盟した国については自動的に拡張する
(2) 商標
文字、図形、記号若しくはこれらと色彩との結合、立体的形状、色彩若しくは音、匂い等視覚的に認識できないもの及び動作は、登録の対象である。
証明標章、団体標章、の登録が可能
(3) 商品
国際分類に関するニ-ス協定に加盟(10版)。
特定の商品の小売と卸売業は、第35類の役務に含まれる(いわゆる小売役務商標)

 

2. 出願手続

(1) 必要書類

① 願書 出願人の氏名又は名称及び住所又は居所
(例) Kinjirushi Kabushiki Kaisha (also trading as Kinjirushi Co., Ltd.)
商標見本、 
商品(役務)区分及び商品・役務の表示
② 委任状提出不要
③ 第一言語 願書に表記する言語は、EU加盟国の公用語の1つ
④ 第二言語 登録異議申立、取消審判、無効審判に用いる言語 英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語若しくはスペイン語のうちの1つ

(2) 必要情報

① 一出願多区分(3区分まで同額、印紙代900EURO)
② 優先権主張
最初の出願の翌日から6ヶ月以内に主張が可能
優先権証明書 主務官庁が発行した原文及び英語訳、出願後3ヶ月以内に書類の追完可能
③ アルファベット文字以外の文字を含むときは、その音訳及び英訳が要求される。
④ color limitation(着色限定)
⑤ Seniority EU加盟国に商標登録若しくは商標登録出願されている場合に登録番号、登録日について知らせる

 

3. 審査

(1) 審査内容

① 方式審査 出願書類の完備、指定商品・役務の審査
② 実体審査 絶対的拒絶理由(識別力の有無)についてのみ審査、相対的拒絶理由(先行商標との類似性等の不登録事由の有無)については審査せず
③ 審査の所用期間: 約3ヶ月

(2) 拒絶理由通知

① 絶対的拒絶理由が存在するとき
② Disclaimer(ディスクレ-マ-)度採用

(3) 出願公告及び登録異議申立

① 登録異議申立期間 出願公告日から3ヶ月
② 何人も登録異議申立書を提出可能
③ Cooling-off period(和解のための期間、出願人及び登録異議申立人の合意により24ヶ月間与えられる
④ 登録異議申立が提起された場合、出願人側は、登録異議申立の引用
商標の登録日が出願公告日から遡って5年間経過している場合に、登録商標がいずれかの指定商品(指定役務)について使用されているか否かの使用証拠を求めることができ、登録異議申立人が使用証拠を提出できないときには、登録異議申立が却下される。登録商標がいずれかの指定商品(指定役務)について使用されている証拠が提出された場合には、使用されている指定商品(指定役務)と出願に係る指定商品(指定役務)との類否が審査される。
⑤ Conversion(例えば、ドイツ登録を基礎とする登録異議申立が認容さ
れた場合、ドイツ以外のEU加盟国の国内出願への切り替えが元の
共同体商標登録出願の出願日を保持して認められる)

 

4. 登録

登録異議申立が提起されない場合若しくは登録官の決定により登録異議
申立が認められないと判断されたときには、登録証が発行される。
登録料の納付は不要。

 

5. 商標権の更新

(1) 存続期間は、出願日から10年。10年毎に更新可能
(2) 使用証拠の提出は不要。
(3) 更新手続期間は、登録満了日の前6ヶ月。但し、存続期間満了後6月以内に存続期間の更新登録申請可能。

 

7. 使用義務

商標登録後正当な理由なく5年間の継続的な不使用である場合、利害関係人のみが、不使用取消審判を請求することができる。

 

8. 取消審判

① いわゆる除斥期間(登録日から5年)。
② fraud(詐欺)により登録を取得した場合、商標法の規定に違反して登録された場合等

 

以上