インドネシア商標法についての解説

インドネシア

1. 適用法令

法律第15/2001号　2001年8月1日改正、2002年8月1日施行
商標施行規則(1993年3月31日政令第23号改正)　1993年4月1日施行
所管官庁　知的財産権総局(Directorate General of intellectual Property
Rights Office) (DGIPR Office、Directorate General of IPRのよ
うに略称)
(1) 登録主義、先願主義を採用
(2) 商標
色彩のみの商標は、登録の対象。
音、匂い等視覚的に認識できないもの及び動作は、登録の対象ではない。
証明標章、Series Marks(シリ－ズマ－クス)の登録はできない。団体商標の登録が可能
(3) 商品
国際分類に関するニ－ス協定に加盟。
特定の商品の小売と卸売業は、第35類の役務に含まれない(いわゆる小売役務商標は登録できない)

 

2. 出願手続

(1) 必要書類

① 願書 出願人の氏名又は名称及び住所又は居所(英語)
商標見本　
商品区分及び商品・役務の表示
② 委任状(公証、認証不要)。包括委任状は認められていない。
③ Declaration of ownership(所有権宣誓書) (公証・認証不要)

(2) 必要情報

① 一出願一区分(法律上は一出願多区分出願は、可能であるが、出願印紙代が多数区分の出願と一出願一区分の出願と同額であり、審査官も区分毎に分かれて任命されるため、一つの区分の出願の運命により、出願全体が左右される)。
② 優先権主張
最初の出願の翌日から6ヶ月以内に主張が可能
優先権証明書　主務官庁が発行した原文及び英語訳、優先期間の満了日から3ヶ月以内に書類の追完可能
③ アルファベット文字以外の文字を含むときは、その音訳及びインドネシア語訳が要求される。

 

3.　審査

(1) 審査内容

① 方式審査　出願書類の完備、指定商品・役務の審査
知的財産権総局からの方針要件に具備していない旨の通知日から2ヶ月以内に瑕疵を治癒する　→　方式要件に具備した場合、出願日が認定。
② 実体審査　絶対的拒絶理由(識別力の有無)及び相対的拒絶理由(先行商標との類似性等の不登録事由の有無
出願日から30日以内に実体審査開始し、9ヶ月以内に完了すること。
③ 出願から登録までの所要期間: 拒絶理由がない場合には、約1年半~2年
④ 出願件数と登録件数のリスト(www.dgip.go.idからアクセスしても英語版に変更されないため、不明)

(2) 拒絶理由通知

①　絶対的拒絶理由及び同一若しくは類似する先商標が存在するときは、examination reportが出願人に送付され、出願人は、examination reportの受領日から30日以内に回答する。出願人から回答がない場合には、拒絶査定。
② 出願公告及び登録異議申立
　登録異議申立期間　3ヶ月
登録異議申立手続きは、何人も可能。
登録異議申立書は、受領後14日以内に出願人に送付。
答弁書の提出期間は、登録異議申立書の謄本の受領後2ヶ月以内。

 

4.　登録と更新

(1) 登録異議申立が提起されない場合若しくは登録官の決定により登録異議
申立が認められないと判断されたときには、登録証が発行される。
(2) 存続期間は、出願日から10年。10年毎に更新可能
(3) 更新時は実体審査を行わない。
(4) 更新手続期間は、登録満了日の前12ヶ月。
 　 委任状と所有権宣誓書の提出が必要。

 

5.　使用義務

商標登録後正当な理由なく3年間の継続的な不使用である場合、利害関係人のみが、不使用取消審判を請求することができる。

 

6.　取消審判

①　いわゆる除斥期間(登録日から5年)あり。
②　宗教上の道徳違反、公序良俗違反、悪意による場合には、いつまでも請求可能。

 

7.　使用許諾

商標の使用許諾について商標局への使用権の設定登録を行う制度

 

以上

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