ブラジル商標法についての解説

ブラジル

1. 適用法令

1996年商標法　1997年5月15日施行
所管官庁　商標局 Institute Nacional Da Propriedade Industrial (INPI)
(1) 登録主義、先願主義を採用
(2) 商標
文字、図形、記号若しくは立体的形状若しくはこれらの結合又はこれらと色彩の結合は、登録の対象。
音、匂い等視覚的に認識できないもの、色及び動作は、登録の対象ではない。
証明標章、団体標章の登録が可能
(3) 商品
国際分類に関するニ－ス協定に加盟。

 

2. 出願手続

(1) 必要書類

① 願書 出願人の氏名又は名称及び住所又は居所(ポルトガル語)
商標見本
商品区分及び商品・役務の表示
② 委任状(公証、認証不要)。
③ 出願人が、出願に係る指定商品若しくは指定役務が所属する分野若しくは産業に従事していることを述べる声明書
④ 出願人が、ブラジルに居住していない場合には、ブラジル代理人の選定書
電子出願も行われている。

(2) 必要情報

① 一区分一出願
② 優先権主張
最初の出願の翌日から6ヶ月以内に主張が可能
優先権証明書　主務官庁が発行した原文又はポルトガル語訳、出願後4ヶ月以内に書類の追完可能

 

3. 審査

(1) 審査内容

① 方式審査　出願書類の完備、指定商品・役務の審査
② 実体審査　絶対的拒絶理由(識別力の有無)及び相対的拒絶理由(先行商標との類似性等の不登録事由の有無
③ すべてのOfficial Action、decision、opposition及びappealは、Official Gazetteに公表される。Watchingが必要。
④ 出願から登録までの所要期間: 平均して3年
⑤ 出願件数と登録件数のリスト(別表をご参照下さい)

(2) 出願内容のOfficial Gazetteへの公表
出願から3ヶ月までに公表
(3) 登録異議申立
出願内容がOfficial Gazetteに公表された日から60日以内。
登録異議申立期間の延期申請はできない。
(4) 拒絶
絶対的拒絶理由及び同一若しくは類似する先商標が存在するときは、登録を拒絶され、当該拒絶査定がOfficial Gazetteに公告される。
当該公告日から60日以内にアピ－ルの請求。　
ディスクレ－マ－制度採用

 

4. 登録と更新

(1) 登録異議申立が提起されない場合若しくは登録官の決定により登録異議申立が認められないと判断されたときには、登録の許可決定がOfficial Gazetteに公告、当該公告日から60日以内に登録料納付。登録証発行。
(2) 存続期間は、登録日から10年。10年毎に更新可能
(3) 更新時は実体審査を行わない。
(4) 更新手続期間は、登録満了日の前1年。但し、存続期間満了後6月以内に存続期間の更新登録申請可能

 

5. 使用義務

商標登録後正当な理由なく5年間の継続的な不使用である場合、何人も不使用取消審判を請求することができる。

6. 取消審判

登録により損害を蒙ると信じるものは、登録日から180日以内に登録の
無効審判の請求が可能。

 

7. 使用許諾

使用権の登録は、① 第三者に対抗するため、② ロイアルティを他国に居る
当事者にブラジルの当事者が支払いを行う場合、③ 当該支払いのために、
ブラジルの法人所得税の税の控除を受けるため、には必要。　
ロイアルティを伴う商標使用許諾契約は、登録が必要。

 

以上

資料提供
Dannemann, Siemsen, Bigler & Ipanema Moreira